熱傷(やけど)
やけど(熱傷)とは
やけど(熱傷)は、熱い液体や固体などに接触することで、皮膚に障害を起こす怪我です。
やけどの深さが、傷跡として残るか残らないかの分かれ目になります。
やけどの深さは、作用する熱の温度と時間で決まります。
低い温度でも作用している時間が長い場合は低温熱傷といって、深いやけどになってしまうこともあります。例えば、冬に使用する「あんか」「ゆたんぽ」や電気毛布などで起こります。
やけどの深さについて
やけどの深さは1度、2度、3度と三段階に分けられます。
数字が大きくなるほど深いやけどです。
2度は浅いものと深いものの、2つに分かれます。
例えば、やけどで水ぶくれなどができている場合は大部分は2度の浅いやけどになっていることが多いと考えられます。
やけどが傷跡として残るのは2度の深いやけどと3度のやけどです。
これらは治療に要した時間が2週間以上となることが多く、逆に2週間以内に治ったやけどは傷跡が残らない可能性が高いといえます。
治療方法は
やけどになってしまったら、まずは冷やすことが大切です。
水道水で冷やすなどがよいと思います。また、早く専門的な治療を受けることも重要ですので、氷を袋に入れてタオルで巻いたもので冷やすなどもよろしいかと思います。
やけどの最大の敵はばい菌の感染です。
皮膚のバリア機能が失われているため、ばい菌がつきやすい状態となっています。
浅いやけどでもばい菌がつくと深くなってしまうこともありますので、形成外科や皮膚科など、やけどの治療の経験が多い医師の治療を受けることが大切です。
また、やけどの範囲が広い場合や、深いやけどが多い場合、手や顔の広い範囲のやけど、喉のやけどなどは入院の必要があることも考えられますので、しかる施設の医療機関に受診する必要があります。
やけどの創部はばい菌がつきやすいとともに、水分の蒸発しやすい状態で、乾燥もしやすくなっています。皮膚の機能を補うため、抗菌剤の入った軟膏を外用します。
また、感染の予防のために抗生物質の点滴や飲み薬を使用する場合もあります。
このようにして2週間以内に治れば傷跡は残らないことが多いでしょう。
また、糖尿病や肝臓の機能が低下した方は特に注意が必要です。
このような方がやけどになると、浅いやけどや範囲が小さいやけどでも、ばい菌の繁殖が非常に早く起こり、壊死性筋膜炎やガス壊疽などの恐ろしい感染症を発症するリスクが高くなります。