陥没乳頭
陥没乳頭とは
乳頭が乳輪の表面から突出しないで、陥凹している状態です。
乳房が発達するに従って明らかになってきます。
生まれつきのもの(先天性)と、生まれた後の様々な原因によるもの(後天性)があります。
先天性のものは原因が不明です。
後天性のものは乳管性の乳腺炎や乳房肥大、乳房の手術、乳がんなどが原因となります。
陥没乳頭の症状
症状としては以下のようなものがあります
① 授乳の障害となります
② 陥没した乳首に細菌がたまりやすいため、乳腺炎をくり返します
③ 外見上の問題から、精神的な苦痛となります
陥没乳頭の種類
生まれつきのもの(先天性)と、生まれた後の原因によるもの(後天性)で分けることができます。
生まれつきのもの(先天性)は引っ張るとでてくるものと、出てこないものに分けられます
仮性陥没乳頭
刺激を加えたり、乳頭を引っぱるとでてきますが、すぐに引っ込んでしまうもの
真性陥没乳頭
乳頭を引っ張りだせないもの
陥没乳頭の治療
切らない方法(保存的方法)
持続的に乳頭を吸引したり、あるいは引っ張る器具を使用します。
3ヵ月から長い場合2年ほどかかる場合もあります。
乳頭の刺激が子宮の収縮を誘発し、早産、流産を起こす可能性があるため、妊娠9~10ヵ月では使用できません
切る方法(観血的治療法)
授乳を行う可能性のある場合は乳管を切らないで、乳管周囲のひきつれをはがしていく方法や、乳頭にさまざまな切開を加えて乳頭を引き出す方法などがあり、これらを駆使して手術を行います。
乳管を切らないように慎重に手術を行うため、時間がかかること、完全に乳頭を引き出すことが難しい場合などがあります。
授乳の可能性がない場合は、乳管の周囲の原因となっている組織を乳管とともに切除,切開して乳頭を引き出します。手術時間は短くてすみ、乳頭の突出も良好な場合が多いです。
陥没乳頭の手術は再発のリスクが1割ほどあります。
再発した場合は再度手術が必要となります。
授乳に障害がある場合は健康保険の適応があります。
手術によって起こりえること(手術の合併症)
陥没乳頭の再発
約1割に再発がみられます。
乳頭の壊死
稀ですが、乳頭への血流の障害によっておこります。
皮下膿瘍
稀に手術の数ヶ月後に乳頭や乳輪の皮膚の下が化膿し膿がたまることがあります。